みんなが平等に輝く 佛教大、社会福祉学部移転でシンポ
佛教大学(佐藤和順学長)は9月19日、二条キャンパス2号館(京都市中京区)の開設と社会福祉学部の移転を記念し、シンポジウム「フクシの佛大 次のフクシへー誰もが、自分らしく生きることができる社会」を開催した。

佐藤学長はあいさつで「研究成果を地域社会に還元し、地域の皆さまと共に課題解決に取り組む開かれた大学であり続けたい。この二条の地から、誰もが自分らしく生きることのできる社会の実現へ向けた新たな歩みが始まることを期待する」と述べた。
基調講演では社会福祉学部客員教授で、メーキャップアーティストとしても活動する僧侶の西村宏堂さんが登壇した。
浄土宗寺院に生まれた西村さんは、子どもの頃から「家が大きくてうらやましい」と言われることで、「自分は他の人よりいい環境にいるのではないか。お金を稼いだらねたまれるのではないか」と考えるようになり、大人になった後も仕事でお金をもらうことに罪悪感を持つようになったと語った。
他にも、おしゃれが好きなことや同性愛者であることもトラウマとなり、これらが解けない「知恵の輪」のように自分を縛り付けていたと振り返った。
逃れるように海外へ留学し、自分と同じような子がたくさんいることや、友達の親が同性愛に寛容なことに衝撃を受けたという。
修行中には自分が僧侶になっていいのか悩んだが、仏教の教えに「みんなが平等に輝いていい。自分も自分らしくていい」と励まされたと話した。
「分かり合えない」と思っていた父親と対話したことで、父親はただ自分を愛し、守りたかっただけだと気付いたとのエピソードも紹介。「みんなが取り残されない社会が、自分らしく生きられる社会ではないか。自分を縛り付ける知恵の輪を、一緒に外していこう」と呼びかけた。
地域ぐるみで「カンガルー」に
第2部では「二条からはじまる新たなフクシ」と題し、地域の団体が活動を紹介した。
子どもが安心して過ごせる居場所づくりを目指すNPO法人「みらいのとびら」は、不登校の男の子の「カンガルーになりたい。不安になったらお母さんのポケットに入れるから」というつぶやきから生まれたフリースクール「カンガルーハウス」を運営。子どもたちが料理やスポーツなど、好きなことをしながら過ごしている。
利用日は在籍する小学校の出席認定を受けており、子どもたちはお泊まり会や音楽イベント、海外研修での現地の子どもとの交流などを通し、学校の外での思い出作りや心の栄養を養っているという。
地域の商店や社会福祉協議会がイベントへの招待や資材の提供などをしており「まち全体がカンガルーのポケット」の役割を果たしている様子が紹介された。
