コラム
コラムに関するニュース一覧
111件の記事
傾聴―いのちの叫び―有料
〈111〉「尊厳を守る」とは
ある日のカンファレンスで、こんな話し合いがありました。 「Aさんですが、どうしても一度、自宅へ帰りたいそうです。お体の状態を考えると厳しい面はありますが、できれば願いをかなえて差し上げたいのです」 主治医は少し考え…

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〈110〉深い所まで潜れるか
もし実践者自身が、表面的な方法論や技法の層に留(とど)まっているなら、相手の思考もまた、そこに留まります。 「どうしたら楽になれるか」 「どう考えればいいか」 といった方法論の層から抜け出すことは難しいでしょう。…

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〈109〉繰り返される言葉たち
そんなことはみんな知っていて、だからこそ人は「いのちは平等だ」と叫ぶのではないだろうか。 そう思って見回してみると、世の中はたいていそうです。 「誠実に働きます」と大声で演説する政治家。もし、誠実であることが当たり…

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〈108〉『ヨブ記』からの学び
ヨブは、神を畏(おそ)れ、誠実に生きる人物だった。善人であり、信仰深く、家族にも恵まれ、多くの財産を持っていた。 しかしある日突然、そのすべてを失う。財産は奪われ、使用人は死に、愛する子どもたちも命を落とす。さらにヨ…

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〈107〉熱狂の巡礼
大甲媽祖遶境は、台中の大甲鎮瀾宮(たいこうちんらんきゅう)の媽祖様が、嘉義(かぎ)の新港奉天宮(しんこうほうてんきゅう)まで往復約340キロを9日間かけて巡る大行列です。数百万人が参加する、台湾最大級の巡礼でもあります…

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〈106〉異なる見方
スピリチュアルケアは、その状態からの回復に寄り添うもの。目的は、新たな信念や価値観の再構築にあると考えていました。 再構築のためには、その人自身の内面の成長が必要であり、これまで外に置いていた支えを、自身の内側に持つ…

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〈105〉国立科学博物館にて
脈々と続く人類の営みの偉大さと愚かさ。その両方を感じると同時に、その営みを展開させている地球が、こんなにも小さく見えてしまう宇宙の大きさに、ただ驚愕(きょうがく)する。国立科学博物館は、いつでも私をたやすく異次元へと連…

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〈104〉日本のナイチンゲール
今回取り上げられたのは、大関和(ちか)(1858~1932)。日本初の看護婦養成所の一期生として専門的な知識と技術を身につけ、当時は下働きのように見なされがちだった看護の仕事を、社会に欠かすことのできない「専門職」とし…

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〈103〉2倍速の社会
先日、授業の後、教務主任の先生からお茶を振る舞っていただいたときのことです。「最近の学生は、課題の動画を2倍速で見るんですよ。時短なんだそうです」。通常の速度で見れば倍の時間がかかる。コストパフォーマンスが悪い、という…

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〈102〉「死にたい」と言われたら
そんなご質問を、たびたびいただきます。本当に、どうしたらよいのでしょう。 もちろん死んでしまうことを良しとはしがたい。けれど、いったい何があったのかよく知りもしないのに、やみくもにダメだと言い切るのもどうなのだろう。…

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〈101〉「私のせいだ」
その自罰的な言葉を聞いた周囲は、たいてい慌てふためきます。「そんなことはありません」「あなたのせいではない」と、打ち消そうとします。でも、その言葉が、その人を楽にしている場面を、私はあまり見たことがないのです。 世の…

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〈100〉子守唄
子を寝かしつけるための行為だと思われがちですが、実はその旋律で最初にケアされているのは、母親自身なのかもしれません。 泣きやまない。寝付かない。その時間が続くほど、母親の心は、知らず知らずのうちに波立っていきます。焦…

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〈99〉「あっち」と「こっち」
そんな言い方をしてしまうくらいですから、私の中にはやはり、その類のものをどこか怪しいもの、科学的ではないものとして、一段低く見ている部分があったのですが…。 その方は、長いこと家族を亡くした悲しみにとらわれ、どうにも…

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〈98〉血のつながり
「冷たい子なんです。お兄ちゃんが亡くなったというのに、涙ひとつこぼさない」 悲しみの渦の傍らに立つ私には、手に取るように見えてくるものがあります。それは、「血のつながり」です。きっとそれが、次男さんの涙を堰(せ)き止…

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〈97〉クリスマス
「クリスマスも正月も誕生日も、みんな生きていく人間が考えたこと。死んで逝く人間が楽しめるものじゃない」 その言葉にハッとして目をあげると、病室の壁は、看護師が飾り付けた雪玉やらトナカイやらの切り絵でにぎやかで、テレビ…

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〈96〉応援
成績不振への不満、クラブへの抗議、選手に発奮して欲しいという願い、理由はいくつも語られていますが、決定的な〝真相〟は分かりません。 ただ、一つだけ確かに言えることがあります。それは、「応援しない」という行為は、もはや…

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〈95〉記念日に興味がない
一緒にお看取りをした仲間や、お世話になった方々から「今日は命日ですね」と連絡をいただいて、ようやく気がつく始末。実は、すっかり忘れていたのです。 その方のことは折に触れて思い出し、ぶつぶつ話しかけたりもして、いつもそ…

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〈94〉「普通」に憧れて
「すごいね、ハト組に入れたなんて」と、一部の人は称(たた)えました。けれどその日から、カメさんは思い知らされることになります。 ハトたちが青空へ悠々と舞い上がるとき、カメさんは地面にとどまり、ただ見上げるしかありませ…

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〈93〉戒とは何か
本来、「いつも清潔な服を身に着ける」方法は、星の数ほどあります。けれども、他者と一緒に暮らそうとするなら、てんでばらばらにそれぞれの方法でやったのでは不具合が出る。感情の摩擦も起こる。 そこで戒を定めて「この場合はこ…

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〈92〉手帳とカレンダー
なんと当たり前のように「来年も今の状態のまま生き続けている」と、心の底から信じきっていることでしょう。そのあまりにも一点の曇りもないさまに、われながらあきれるほどです。口では「人間いつ死ぬか分からない」などと言いながら…

