手で触れて感じる絵 仏教学び、画家に転向
小笠原さんの作品は、キャンバスに絵の具を盛るように乗せ、削り取ったり磨いたりした上で再び着色するレリーフのような仕上がりが特徴だ。 月夜に跳ねたイルカが海面に潜る寸前の姿を描いた「奢(おご)り」は、偶然が重なって、八…
小笠原さんの作品は、キャンバスに絵の具を盛るように乗せ、削り取ったり磨いたりした上で再び着色するレリーフのような仕上がりが特徴だ。

月夜に跳ねたイルカが海面に潜る寸前の姿を描いた「奢(おご)り」は、偶然が重なって、八正道=用語解説=の「正見」からタイトルを導いた。
完成した作品を母親が誤って倒してしまい、レリーフ状になっているイルカの背中に亀裂が入った。その部分に、漆と金粉を使う陶磁器の修復技法「金継ぎ」を用いてみると、青色に金が映える美しい作品に仕上がった。
ただ、よくよく考えてみると、傷ついたイルカを美しく感じることの不条理に気付いた。「環境保護といいながら、人間本位の保全を行って、美しいと思うことは『奢り』でしかない。正しい目で見ることが大切だ」と語る。
