ALS患者と音楽ユニット結成 石川祐輝さん(下)
古内さんは、かつて飲食店の店長として働いていた。ある時、右手に力が入らなくなり、店でグラスを落としたり、ゆでたパスタをトングでつかんで持ち上げることができなくなった。 腱鞘炎(けんしょうえん)ではないかと思って病院を…

古内さんは、かつて飲食店の店長として働いていた。ある時、右手に力が入らなくなり、店でグラスを落としたり、ゆでたパスタをトングでつかんで持ち上げることができなくなった。
腱鞘炎(けんしょうえん)ではないかと思って病院を受診すると、予想外の診断が下された。全身の筋肉が衰えるALS。2019年6月、39歳の時だった。
家庭を持ち、真面目に仕事に打ち込んできた日々が一変した。退職を余儀なくされ、一時は家に引きこもった。必死の思いで人工多能性幹細胞(iPS細胞)での治験に参加し、ロボットスーツでのリハビリに打ち込むようになった。
そんな中、妻の一美さんが石川さんの勤務するデイサービスで調理を担当していたことから、石川さんに話が伝わった。石川さんは10代の頃から音楽活動を行い、東京・渋谷のライブハウスでロックバンドのボーカルとして歌っていた経験がある。介護職になってからは、現場で歌や演奏のレクリエーションを行っていた。
まだ歩けていた頃、古内さんは石川さんのライブを見に行った。当時はあいさつを交わしただけで、ユニットを結成するとは思ってもみなかったという。



