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【「師」が語る「死」】〈1〉 孤独死なんて、この世界にはない! 浄土宗・池口龍法住職

 「日本人は宗教を持たない」と言われるが、スピリチュアルなことや死生観に興味を持つ人は多い。死を語り合う「デスカフェ」や死をテーマにしたイベントは、世代を超えて活況を呈している。シリーズ【「師」が語る死】では、死後の世界や安楽死、輪廻転生などを取り上げ、宗教者や学者、芸術家の視点を通じて、誰にも必ずやって来る死について考える道しるべを提示したい。

山根 陽一•

 《第1回の「師」は、小型ドローンを飛ばし極楽来迎を立体的に表現する浄土宗龍岸寺(京都市下京区)の池口龍法住職(45)にお願いした。私よりも年下の僧侶に登場してもらったのは、若い世代が死に関心を持っているという最近の傾向に注目したからだ。テクノロジーを取り入れた新たな布教や死への先進的な向き合い方を提示する池口住職に、死生観を尋ねた》


池口住職
池口住職


「ドローン仏」が描く死後の世界

――仏様が空中を漂うように見える「ドローン仏」は画期的な試みですね。

 「今年6月21日、浄土宗の開祖法然上人の命日法要である御忌大会(ぎょきだいえ)で、ドローンに仏像を乗せ二十五菩薩来迎図を三次元で展開しました。浄土宗が死後の世界として提示する極楽浄土を、新たな手法で形として表したかったからです。雅楽の音色と共に新しいイメージを生み出すことができたと思います」

――法然上人が説く極楽浄土は、ある種のリアリティーを持つ世界と捉えられていますよね。

 「死後の世界はそれぞれが心の中で描くものですが、信仰の強さによってそのリアリティーは変わってきます。『阿弥陀如来が現れて私たちを助けてくれる』という強い思いがある人ほど、実感として捉えられるようになります」

――科学技術の進歩でよりリアルに表現できるようになったということでしょうか。

 「昔の人は、阿弥陀如来が菩薩とともに雲に乗って西方の極楽浄土へ導いてくれると信じていて、来迎(らいごう)図と呼ばれる絵画や彫刻を生み出しました。さらに時代を遡れば、言葉だけでリアルな極楽浄土を表現していました。でも、それを今の時代で感じるのは難しい」

――時代に合わせて死後の世界をイメージする手段が、必要になるわけですね。

 「多くの僧侶は、修行や読経を通して培ってきた死生観をどう伝えていくべきか、常に考えています。法話に現代の世相を反映させるなど、仏教をなるべく身近に感じさせるために努力しています。そういう中で生まれた一つの形が、ドローン仏なのです」

 「また、誰もがそうした世界への入り口に近づける方法として、『光の瞑想(めいそう)withヒーリングサウンド』を考案しました。映像作家が描く幻想的な阿弥陀如来像と『おりん』の優しい音色で、参加者の心を包みこむ作品です。瞑想の世界に深く入り込むことで、極楽浄土のイメージを体感できる。生と死は表裏一体であり、前向きに生きる姿勢を促すことにもつながっています」

《では、人はいつか死ぬのなら、どのような心を持てば前向きに生きていけるのだろうか》

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