〈48〉続・わかれ
桜井さんは、1967(昭和42)年に茨城県利根町布川で発生した強盗殺人事件「布川事件」の犯人とされ、無期懲役の判決を受けて29年の獄中生活を送ったが、事件発生から44年後、再審無罪を勝ち取った。その後、自分を無実の罪に…

桜井さんは、1967(昭和42)年に茨城県利根町布川で発生した強盗殺人事件「布川事件」の犯人とされ、無期懲役の判決を受けて29年の獄中生活を送ったが、事件発生から44年後、再審無罪を勝ち取った。その後、自分を無実の罪に陥れた警察・検察の責任を追及すべく国家賠償請求訴訟を提起し、国(検察)と県(警察)の双方に勝訴、「完全勝利」が確定した。
その冤罪(えんざい)体験を「不運だけど不幸じゃない」と言い切り、全国の冤罪被害者の元を訪れて激励し続けた。いつも明るく前向きで、絶妙の話術や、自作の歌を朗々と歌うハスキーボイスで聴く者を魅了し、周囲に笑いと活力、希望を与え続けた桜井さんは、まさに唯一無二の存在だった。

