〈56〉巨星墜つ
西嶋さんは、1965(昭和40)年に弁護士となった。所属した事務所は、新人弁護士には必ず重大冤罪(えんざい)事件の弁護を経験させる方針だったそうで、弁護士1年生の西嶋さんが担当することになったのは八海事件だった。 八…

西嶋さんは、1965(昭和40)年に弁護士となった。所属した事務所は、新人弁護士には必ず重大冤罪(えんざい)事件の弁護を経験させる方針だったそうで、弁護士1年生の西嶋さんが担当することになったのは八海事件だった。
八海事件とは、高裁の判決(1回目は死刑、2回目は無罪)が2度も最高裁で差し戻され、3度目の上告審で最高裁が自ら無罪判決を下すという異例の展開をたどった事件である。『真昼の暗黒』というタイトルで映画化され、ラストシーンの「おっかさん、まだ最高裁判所がある。最高裁があるんだ」というせりふが有名になった。

