【連載・宗教と〇〇】⑦宗教と酒 酒は水より安全だった?世界の宗教と酒の深い関係
酒はしばしば快楽、堕落、理性を失わせるといったイメージから、宗教とかけ離れた印象を持つ人も多いのではないだろうか。実際戒律で厳しく禁じている宗派もある。しかし世界的に見ても、宗教と酒は実は関係が深い。 ※文化時報2026年7月24日号の掲載記事です。
嗜好品を超えたもの
日本の神道において、酒は「御神酒(おみき)」と呼ばれ神事には欠かせないものである。地鎮祭、棟上げ式、結婚式、さらには江戸時代の切腹の作法にまで、日本文化にはあらゆる場面に酒が登場する。
神社へ行くと、献上された酒樽(だる)が飾られている光景を見ることができる。また神前に供えた酒をくみ交わす「直会(なおらい)」は単なる宴会ではなく、神様が口にした酒をいただくことで霊力や神徳を得るという、大切な神事の一つでもある。

「醸造の祖神」として名高い松尾大社(京都市西京区)には、大鳥居の前に巨大な徳利(とっくり)が設置されている。境内には酒造メーカーから奉納された灯籠、酒造りの過程で仕込み水に混ぜる不老長寿の神泉「亀の井」など、至る所に酒との関係を示すものがある。境内の一角にある「お酒の資料館」では、酒造りについて学ぶことができる。
