日本臨床宗教師会 設立10周年記念シンポジウム 医師や僧侶が登壇 活動を回顧
日本臨床宗教師会が17日に開いた設立10周年記念シンポジウムは「臨床宗教師の活動の現状と課題」をテーマに行われ、8人が発表した。
第1部「医療現場と臨床宗教師」では、松本峰哲種智院大学教授が進行。医師や僧侶らの発表を受け、金田諦晃曹洞宗通大寺(宮城県栗原市)副住職、平野博医師、谷山洋三東北大学大学院教授が、臨床宗教師の活動効果を定量化することが重要と指摘した。
第2部「地域社会と臨床宗教師」では、大下大圓高野山真言宗千光寺(岐阜県高山市)前住職が司会を務め、東北大学大学院特任助教の井川裕覚高野山真言宗歓楽寺(奈良市)住職、稲場圭信大阪大学大学院教授、森田敬史龍谷大学大学院特任教授が、地域社会や防災支援に活動が展開する可能性に触れた。

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医師は大丈夫と言えない
田中病院医師 寺嶋 千貴 氏

余命2週間と告知された患者が、翌日に自死した事例がある。「医学でこの痛みに手が出せるのだろうか」と苦悩した。スピリチュアルペインは、存在が消えてしまうことへの恐怖と、これまでの人生に対する罪悪感・後悔に集約される。
医療ではインフォームド・コンセント(説明と同意)が必要とされるが、十分な精神的・社会的サポートがないまま事実を伝えるだけになっており、スピリチュアルペインを増幅させている側面がある。
医師は安易に「大丈夫」と言えず、患者に寄り添えるのは宗教者ではないかと考えた。日本臨床宗教師会に連絡して臨床宗教師を招き、多職種連携による緩和ケアを行うようになった。
臨床宗教師は、死と向き合う患者だけでなく、看護師などスタッフの心の支えにもなっている。医療現場で臨床宗教師の役割をさらに拡大させ、患者の苦しみが和らぐ体制をつくりたい。
