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【熊本地震】熊本で震度7 死者34人1万467人避難、寺社多数が被害

 7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする地震があり、同県宇城市と氷川町で、最大震度7を観測する地震が発生した。30日午後4時現在で災害関連死を含め34人の死亡が確認されており、1人が安否不明となっている。36市町村で465カ所の避難所が開設され、1万467人が避難。複数の寺社で被害が確認された。震度4~5の余震が複数回発生し、本震発生後24時間以内の余震は190回を超えた。

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 気象庁は「令和8年熊本地震」と命名した。国内で発生した震度7以上の地震は2024年1月の能登半島地震以来8回目。地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・1(暫定値)で、熊本県内では熊本城が被災した16年4月の熊本地震のM7・3に継ぐ規模だった。気象庁は有明・八代海に津波注意報を出したが、同日午後6時10分に解除した。

 嘉島町の商業施設イオンモール熊本で爆発が起き、八代市の日本製紙八代工場の煙突が倒れるなど各地で被害が相次いだ。宇城市、熊本市、八代市で合計8件の火災が発生。県内約4万7210戸で停電し、八代市や宇城市などの5万6815戸で断水した。高速道路・一般道路の10路線12カ所が全面通行止めになった。

複数の本堂倒壊
宗教者、続々支援へ

 寺社の被害も確認されており、八代市内では日蓮宗本成寺(赤城義晋住職)で本堂が全壊。日蓮宗浄信寺(山野貫雄住職)では、山門が倒壊した。曹洞宗久巖寺(鷲峰悟参住職)は本堂が大規模損壊し、庫裏が倒壊。寺庭が柱に挟まれたが奇跡的に助かった。八代神社(小林雄彦宮司)では拝殿が倒れた。

全壊した日蓮宗本成寺の本堂
全壊した日蓮宗本成寺の本堂
原形を失った日蓮宗浄信寺の山門
原形を失った日蓮宗浄信寺の山門
庫裏が大規模損壊した曹洞宗久巖寺=いずれも7月29日、熊本県八代市
庫裏が大規模損壊した曹洞宗久巖寺=いずれも7月29日、熊本県八代市

 宇城市では、日蓮宗統照寺(秋崎光俊住職)で本堂のガラスが破損し、日蓮宗圓立寺(松尾義隆住職)で本堂の床がずれる被害などが確認されている。人吉市では、真言宗大覚寺派願成寺(中村曵孝住職)の文化財指定されている石塔が倒れた。

 荒尾市では、真言宗泉涌寺派正法寺(赤星善生住職)の屋根が損壊。熊本市では、天台宗長壽寺(角本尚雄住職、南区)の本堂と庫裏で梁が落下するなどの被害が出ている。このほか、各地で堂内の荘厳(しょうごん)や位牌(いはい)の損傷、墓石が倒れるなどの被害が見られている。
真宗大谷派と浄土真宗本願寺派は、複数寺院から本堂倒壊などの被害報告を受けているが、連絡が取れない寺院があるなど、全容が把握しきれない状況になっている。

 宗教者による支援活動も29日から始まっている。

 真言宗豊山派浄光寺(長野県小布施町)の林映寿副住職が代表理事を務める一般財団法人日本笑顔プロジェクトは同日、鹿児島空港から陸路で現地入りし、復旧支援活動を進めている。

 2020年の熊本豪雨で避難所として機能した曹洞宗神照寺(熊本県球磨村)の岩崎哲秀住職も支援準備を開始。宗教者災害支援連絡会(宗援連、代表・稲場圭信大阪大学大学院教授)は、行政支援から取り残される人々の支援を進めようとしている。

 地震発生時に鹿児島県内にいた稲場教授は「中長期的な対応が必須。情報の収集と共有が不可欠で、各支援団体や末松直洋宇城市長と連絡を取りながら、現在は後方支援に尽力している」と話した。

主要教団が対策本部

 真宗大谷派は28日、地震直後に災害救援本部を設置。九州教務所(福岡県久留米市)を現地災害救援本部に、熊本教務支所(熊本市中央区)を現地災害救援拠点に指定し、寺院と門徒の安否確認や被害状況の把握を開始した。災害時の物資提供に関する協定を締結しているホームセンター大手コーナン商事(大阪市淀川区)の協力を得て、救援物資の搬送準備を始めた。

 29日には、高野山真言宗が災害対策本部を立ち上げて対応を協議。浄土真宗本願寺派は、伝道本部(京都市下京区)に緊急災害対策本部を設けるとともに、熊本教務所(熊本市中央区)に現地対策本部を設置し、被災寺院の調査と支援物資の配布を進めている。また、たすけあい運動募金「令和8年熊本地震災害義援金」の募集を開始した。

 天台宗九州西教区宗務所は、被災寺院や周辺地域の調査を行い、発電機や水などの支援物資を届けた。行政と連動した支援を視野に入れている。

 曹洞宗、真宗大谷派、浄土真宗本願寺派、浄土宗、日蓮宗、天台宗、臨済宗妙心寺派は29日、ホームページなどを通じて見舞いの言葉を発信した。