← トップに戻る
災害無料

【熊本地震】灼熱の太陽 追い打ち 八代市内、寺社原型とどめず

 7月28日に発生した令和8年熊本地震で震度7を観測した熊本県八代市と氷川町では、神社仏閣の伝統的な木造建築物が大きな被害を受けた。連日の暑さのため復旧作業は難航しており、8月3日には熊本市で観測史上最高を記録する40・3度の酷暑日となるなど、片付けをする宗教者らに灼熱の太陽が追い打ちをかけた。(坂本由理)

Super Admin•

一瞬で崩れた本堂
日蓮宗本成寺

 熊本藩初代藩主・加藤清正の嫡男、忠正(1599〜1607)の菩提(ぼだい)寺として知られる八代市の日蓮宗本成寺(赤城義晋住職)は、建物の多くが壊滅的な被害を受けた。本堂のほか、八代城本丸から移築された高麗門(市指定有形文化財)や、清正をまつる和光殿が原型をとどめないほど崩れ落ちた。


倒壊した市指定有形文化財の高麗門=7月31日、八代市の本成寺
倒壊した市指定有形文化財の高麗門=7月31日、八代市の本成寺

住職、車で寝泊まり
日蓮宗浄信寺

 八代市中心部にある本町商店街のアーケード入り口に位置する日蓮宗浄信寺(山野貫雄住職)でも、住職一家が片付けに追われている。庫裏は倒壊を免れたものの、壁のゆがみや階段が浮くなど危険な状態のため、車や車庫で寝泊まりしているという。

 商店街へと続く通りに面した山門は完全につぶれ、柱が飛び出し、瓦が散乱した。山野住職は「せめて倒れたのが境内側で良かった」と話した。

瓦が粉々になった浄信寺の山門=7月31日、八代市
瓦が粉々になった浄信寺の山門=7月31日、八代市

 地震発生直後に本尊の三宝諸尊(三宝尊、市指定有形文化財)が須弥壇(しゅみだん)から飛び出し、山野住職らが急いで抱えて庭に避難させたという。山野住職は両足に傷を作りながらも「仏様がいらっしゃるので寺を離れるわけにはいかない」と話し、「長い間来ると言われていた地震が自分の代で来た。これもご縁だ」と静かに語った。

 熊本県は2016(平成28)年4月にも震度7を観測する地震に見舞われた。多くの寺社は建物の耐震補強をしたにもかかわらず、大規模な倒壊を免れられなかった。