「ネルソンさん」が求めた仏教の救い㊦ 戦争を知るからこそ、憲法9条に希望を見る
映画『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』で塚本晋也監督は、パンフレットで明らかにしている通り、米海兵隊員アレン・ネルソンさん(1947〜2009)がベトナム戦争に従軍した13カ月間と戦争後遺症の克服を、全て「個人の問題」として描いた。一方で実際のネルソンさんには、平和活動に尽力した一面があったことも見逃せない。晩年に交流のあった浄土真宗光闡坊(こうせんぼう、石川県加賀市)住持の佐野明弘さん(68)に、生前の活動などについて尋ねた。(上中下3回に分けて掲載しています)
小野木 康雄•

戦場を知らないから、戦争をする
《インタビューの「中」にある通り、佐野さんは僧侶としてネルソンさんに仏教の教えを伝えていたが、佐野さん自身もまた、ネルソンさんから多くのことを教わったと明かした》
――佐野さんがネルソンさんとの交流を通じて学んだのは、例えばどのようなことですか。
「お釈迦(しゃか)様は『法句経(ダンマパダ)』で『殺してはならぬ、殺さしめてはならぬ』とおっしゃっていますが、私は『殺さしめてはならぬ』とは何だろうと、ずっと考えていました」
